クモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤とは

脳の血管のコブ状の膨らみの事を脳動脈瘤と言います。

動脈瘤はいったん破裂すると「くも膜下出血」という重篤な病気となります。

この病気は放置すると70%近くの人がお亡くなりになる大変怖い病気です。

症状としては、突然の激しい頭痛と吐き気に襲われ、重症な場合には意識がなくなり、初回の出血で約20%の人が死亡します。

成人日本人の3-6%に脳動脈瘤が存在するとされおり、この状態での動脈瘤を未破裂脳動脈瘤(破裂していない=出血していない)と言います。
未破裂脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血となる確率は、動脈瘤のできている場所や大きさによって異なりますが、おおむね年間の破裂率としては1%前後とする研究が多く、それほど高い確率ではありません。

但し年間の破裂率ですので年々積み重なっていくと考えられ、10年間で考えるとこの間の破裂率は10%程度になると言われています。

脳動脈瘤に対する外科的治療として1970年代以降、開頭クリッピング術が世界的な標準的治療として普及しています。 しかし、近年では動脈瘤に対するより低侵襲な治療として血管内治療であるコイル塞栓術が開頭クリッピング術と並び標準的な治療として選択できるようになってきています。
動脈瘤コイル塞栓術とは足の付け根の動脈より2-3mm程度のカテーテルを挿入して行います。さらにそのカテーテルの内側よりマイクロカテーテルと呼ばれる細い管を動脈瘤の中に送り、プラチナの糸(コイルと呼びます)で動脈瘤の中で1本1本順々に糸を巻くようにして丸めていき切り離して置いてきます。1本1本安全を確認しながら動脈瘤の中にコイルを充填していき動脈瘤の中に血液が入らなくなると塞栓が完了して治療が終了となります。

コイル塞栓術を代表とする血管内治療の進歩は目覚ましく、以前では治療の難しかった治療も道具(デバイス)の進歩により治療可能となってきました。

入り口が広い動脈瘤の場合は、バルーン(風船)やステントを用いて動脈瘤の入り口からコイルが飛び出さないようにするデバイスを使用できるようになりました。これにより、今までコイル塞栓術が困難であった症例も治療可能となりました。