脊髄刺激療法(SCS)とは

脊髄刺激療法(SCS)では、脊髄の硬膜外腔に直径1.4mm程度の、細くて柔らかい電極(リード)を挿入し、臀部もしくは腹部に植え込んだ刺激装置(ペースメーカに類似したIPG)に接続して、脊髄に弱い電気刺激を与えます。
痛みの感覚は、痛みの信号が神経から脊髄を通って脳に伝わることで認識されます。SCSを行い、脊髄に微弱な電気を流すことにより、痛みの信号を脳に伝えにくくします。

脊髄刺激療法(SCS)の対象疾患は

SCSは、神経の異常による痛みや血流障害による痛みなど、慢性難治性疼痛に効果があると言われています。

  1. 腰部脊柱管狭窄症
  2. 腰椎手術後症候群(FBSS)
  3. 末梢血流障害(ASO、バージャー病、レイノー病など)
  4. 複合性局所疼痛症候群(CRPS)
  5. 帯状疱疹後神経痛

脊髄刺激療法(SCS)の効果

SCSにより、痛みが半分程度にやわらぐと言われています。
痛みが緩和することで、鎮痛薬を減らして副作用を軽減できたり、夜間熟睡できる、子供を抱っこできるようになる、など、生活の質が向上することが報告されています。

※SCSは痛みを緩和するためのものであり、痛みの原因を取り除く治療ではありません。
※効果には個人差があるため、通常、効果を判定するための刺激試験(トライアル)を行います。

脊髄刺激療法(SCS)の流れ

SCSでは、電極(リード)を試験的に挿入し、試験刺激期間中に患者さんご自身で効果を判定することができます(トライアル)。
試験刺激期間で効果を得ることができたら、体内に刺激装置を植込みます(本植込み)。
試験刺激期間で効果を得ることができなかった場合、挿入したリードを抜去します。

脊髄刺激療法(SCS)の注意点

  • 通常の生活で注意することは特になく、入浴や軽い運動、水泳なども問題ありません。しかし、一部の機器の使用や治療法の併用で、刺激装置が影響を受けることがあります。
  • SCSは痛みの原因を取り除く治療ではなく、痛みを緩和させるための治療です。痛みが和らぐことはあっても、痛みが無くなってしまうことは期待できません。
  • 刺激装置は腹部など目立たない場所に植込まれますが、患者さんの体格によっては、植込み部分が多少盛り上がることもあります。